2024/02/26投稿者:スタッフ

鍼灸師が機能訓練指導員になるには?

鍼灸師が機能訓練指導員になるための要件

鍼灸師が機能訓練指導員になるには、鍼灸師の資格を持っているのはもちろん、加えてほかの資格取得者とは異なる要件が求められます。それは、「機能訓練指導員を配置した事業所で半年以上機能訓練指導に従事した経験」です。前述した鍼灸師以外の資格取得者はこの限りではないため、鍼灸師のみ、機能訓練指導員になるために現場での経験が必要になります。

なぜ、鍼灸師だけが半年間の実務経験を求められるのでしょう。その背景には、機能訓練指導員の量的確保が急務であったために新たに追加された資格であることに加え、機能訓練指導員と鍼灸師の業務内容が必ずしも一致していない点が挙げられます。そのため、実務経験を積まないと機能訓練指導員としての質を担保することが難しいという懸念があり、この要件が加えられています。

機能訓練指導員が活躍できる場所

鍼灸師が活躍できる場所としては、主に鍼灸院やスポーツ施設(スポーツ鍼灸)のほか、一部のエステサロン(美容鍼灸)などが挙げられます。しかし、機能訓練指導員になれば、「特定施設」「特別養護老人ホーム」「認知症対応型通所介護」「短期入所生活介護施設」「ショートステイ(短期入所介護施設)」「地域密着型(小規模)通所介護」の6つの介護施設で活躍できます。そして、「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」「通所リハビリテーション」などの医療系施設でも活躍が可能です。

機能訓練指導員としてのやりがい

基本的に鍼灸師としてのやりがいと大きくは変わりませんが、勤務する場所によって業務内容も異なるため、それぞれの現場でそれぞれのやりがいを感じられます。例えば、介護度が高く重い障害を抱えている被介護者が多くいる医療系施設であれば、機能訓練によってその症状や痛みが少しでも和らぐこと。また、介護度が低く症状が軽い被介護者が多くいる施設であれば、日常的な生活を営む機能の減退を防ぎつつ、レクリエーションや送迎といった業務でコミュニケーションが活性化されることにやりがいを感じられるでしょう。

また、医療機関に比べ、被介護者が同じ場所で継続してサービスを利用する可能性が高いため、長期的に関わっていけるのもやりがいのひとつです。自身の鍼灸師としての知識や経験を活かし、被介護者の生活サポートが行えるのも機能訓練指導員だからこそのやりがいです。

鍼灸師としての機能訓練指導員の将来性

少子高齢化をいますぐに止めるすべがない以上、今後、高齢者はさらに増加していくでしょう。それに伴って介護施設、医療施設の需要はより高まるため、機能訓練指導員の需要も確実に増えることが予測できます。もちろん、高齢者が増えれば、鍼灸院の需要も高くはなります。しかし、機能訓練指導員が働く場所は大手企業が経営しているケースも多いため、一般的な個人経営の鍼灸院に比べ、安定性という面において将来性が高いと言えるでしょう。

鍼灸師としての機能訓練指導員の適性:求めらる能力とは

機能訓練指導員はさまざまな職種の人とともに働くため、お互いに配慮し合い、必要なことはしっかりと話し合える判断力、コミュニケーション能力が必須です。また、被介護者の方と長期間にわたって関わっていくケースが多いことから、治療最優先ではなく、被介護者の生活に寄り添っていける柔軟な姿勢が求められます。

鍼灸師として機能訓練指導員を務めるのは、少子高齢化社会に役立つ大きなチャンス!

鍼灸師はこれまでも、鍼灸院やスポーツ施設、美容鍼灸サロンなどに活躍の場はありました。しかし、介護保険法改定により2018年から新たに機能訓練指導員として認められるようになったことで、活躍できる場所はさらに増えています。

もちろん、鍼灸師として独立し、自分の鍼灸院を持つのもやりがいとなるでしょう。ただ、これからの少子高齢化社会を見越し、その最前線の場となるデイサービスや老人ホームで機能訓練指導員として従事すれば、社会により大きく貢献することが可能です。そうした意味でも、鍼灸師を目指すのであれば機能訓練指導員になるのを目標とするのも、選択肢のひとつとしてよいのではないでしょうか。

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